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事務局の思う、視点研修の魅力②

当初の締め切り後に、このような記事を書くのもどうかと思いますが、ゴールデンウィークに入り、事務局の大原も少し時間の余裕がうまれてきました。

どうしてこれらの理論で構成されているかの思いを記述することで、視点研修の魅力が伝えられるかと思います。

わたしは、かつて精神分析的心理療法を本格的に学ぼうと思い、実践していましたが、いろいろな経緯を含め、今はそこまで本腰を入れて学んではいない状況です。

精神分析には、その理論の中にも「自我心理学」「対象関係論」「対人関係学派」「自己心理学派」「中間学派」「関係論」と、学派が細分化されています。
わたしの感覚としては「対象関係論」と「中間学派」が日本における主流であるように思いますが、わたしが精神分析の魅力に感じる部分は「対人関係学派」「関係論」で論じられているようなものらでした。

わたしの未熟な理解ではありますが「対人関係学派」や「関係論」は、目の前の人と共につくりあげていこう、という姿勢を大切にしている理論のように思います。
そこで心理療法家に求められるのは、「人として共にいようとする」という姿勢であるように思います。

そう考えると、精神分析の「対人関係学派」などは、パーソンセンタードアプローチ(PCA)とかなり近しい考え方をしているのではないかと思うに至りました。

今回PCAをご担当頂く中田先生は、Dave MearnsとMick Cooperの『深い関係性(リレイショナル・デプス)がなぜ人を癒すのか』という書籍を翻訳されています。
この「リレイショナル・デプス」という概念は、これまたわたしの未熟な理解では、対人関係学派などで重視されるauthenticity(本物らしさ)の感覚に近いのではないかと感じています。
これらの概念は、言葉では簡単に説明をできないけれども、心理的支援においては決定的に重要な感覚ではないかと思います。

ただ、わたしもPCAに関しては、院生時代に学んだロジャースの3原則くらいしか分からず、上記の考えもまったくずれているかもしれないとも思います。
宮田先生や中田先生に質問として聞かせて頂きたいと考えています。

そして、精神分析の関係論で言うならば、統合学派をご担当頂く杉原先生が、Paul L. Wachtel『統合的心理療法と関係精神分析の接点』という著作を翻訳されています。

わたしの個人的なものになるかもしれませんが、本研修会の一つの学ぶ点として「精神分析」「PCA」「統合学派」がどう関係するのか、もしくはしないのかの整理にあるように思います

魅力の③では、統合学派について現時点で思うことを少し記述させて頂こうと考えています。